「勉強へのモチベーションがつづかない…」「勉強したいけどなんとなく後回しにしてしまう…」この記事ではそうした状況から抜け出すヒントとなる6つの方法を紹介します。
このページの目次
外発的・内発的動機づけをうまく使う
「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。簡単に言うと、次のようになります。
外発的動機づけ……賞罰によって行動を強化する
内発的動機づけ……それ自体が楽しくてやる
内発的動機づけの状態のときに報酬を与えてしまうと内発的動機づけに減退効果(アンダーマイニング現象)がおきることが知られています。
外発的動機づけを利用して勉強の習慣をつくる
教育の分野では外発的動機づけよりも内発的動機づけが重視されますが、勉強の初期においては、内発的欲求が生まれるだけの経験の蓄積がありません。勉強へのやる気が出ない場合、まずは「ごほうび」など外発的動機づけを利用して勉強をはじめ、勉強の習慣をつけましょう。だんだんと内発的欲求による楽しさによって勉強できるようになると良いと思います。
1. 自分への「ごほうび」を設定する
「ごほうびリスト」をつくろう

勉強を達成したらすぐにできるような「ごほうび」のリストをつくりましょう。「勉強したら100円貯金する」よりも、「100円分おやつを食べる」のようにすぐに実行に移せる報酬のほうがグッドです。
・漫画を一冊読む
・SNSを5分見る
・好きなゲームをする など
また、報酬も「25分勉強したらおやつを食べる」のような報酬の他に、「1日のタスクがぜんぶ終わったらマンガを5冊読む」など、短期的、長期的な報酬を組み合わせることで効果が大きくなります。
たとえば、「○ページまで問題集をやったらコアラのマーチを1つ食べる」と決めたならば、必ずタスクを完了させてからコアラのマーチを食べなくてはいけません。問題集が終わってないのにコアラのマーチを食べたりすると、どんどん報酬としての効果が下がってしまいます。
このような「ごほうび」によってやる気を維持することを心理学では「随伴性自己強化」と呼びます。
嫌いな勉強と好きな勉強を組み合わせる
教科ごとに好き嫌いがあるなら、嫌いな教科と好きな教科を交互にすることも有効です。好きな教科がごほうびとして働きます。
また、計算は苦手だけど暗記は好きという場合は、計算→暗記の順番で勉強することによって、苦手分野にもとっかかりやすくなります。
勉強の記録を「ごほうび」として働かせよう
ToDoリストで終わったタスクをチェックするとき、気持ちがいいですよね。勉強も記録のとり方を工夫することで、記録をつけることそれ自体をごほうびのようにすることができます。
勉強シール帳をつくる
こどものころに「〜をしたらシールをあげる」と言われて喜んでやってしまった経験はありませんか?このシール作戦、大人でもなかなかあなどれない効果があると思います。「問題を3問といたら一枚シールを貼る」などルールを決めてやってみましょう。
ぬりえ勉強法を試してみる
勉強した時間だけマスを色ペンで塗りつぶす、ぬりえ勉強法なども、同様の報酬効果が期待できます。ここでは詳しい説明はしませんが、興味のある方は調べてみてください。
2. 計画で「できる」という見通しを持つ
ゴールまでの計画を立ててみよう
見通しがつくとめんどくささが軽減されます。ゴールとそれまでの過程を見通した計画を立てることで、取り掛かりやすくなります。最初の計画にこだわる必要はありません。難しいと思ったらどんどん計画を変更していきましょう。
タスクを小さく分解しよう
何か行動をおこすためには、はじめようと思えるだけタスクを小さくする必要があります。10分でも5分でも、自分が作業にとりかかれる小ささにまでタスクを分解して、細かく報酬を得ていきましょう。
また、作業をはじめてからよりも、はじめるときのほうが「めんどくさい」度は大きいです。最初にとりかかるタスクは意識して小さくしておくことがポイントです。
3. 勉強の期限を決めてしまう
計画通りに進めたい、期限までに終わらせたいという欲求を利用します。
勉強する前に試験を申し込む

勉強にとりかかる前に、まず試験を申し込んでしまうなど自分で期限を切ってしまうのも手です。たいていは「もう少し勉強してから…」試験に申し込もうなどと思っているとダラダラしてしまいます。
「いつまでに何を勉強するか」を宣言する
「◯日までにここまで勉強する!」とSNS等で友人に宣言してしまう方法もあります。
4. 他人をまきこむ
- 仲間がいると頑張れる人
- 他人に負けたくない人
- 承認欲求が強い人
目標とする人を探す
目標まで具体的な方法がわからなくても「この人のようになりたい」というロールモデルがいると、目標が具体性を持ちはじめます。
ライバルを見つける
「この人には負けたくない」というライバルを見つけるのも有効です。
目標とする人やライバルは知り合いでなくてもかまいません。一方的なライバル視でOKです。
勉強仲間を見つける
同じ目標に向かって勉強をしている人と知り合いになると、情報交換などができてやる気がでます。一人で勉強している人はSNSなどで同じ勉強している人をフォローするのも有効でしょう。
勉強した記録を公開する
勉強した記録をSNSなどで公開すると、他人に成果を見られることでもっと頑張らなきゃという気持ちを感じます。あとから自分の勉強ペースを客観的に見て、学習計画にも生かせるのでオススメです。
定期的に勉強会をする
仲間と勉強すると確実に勉強時間を確保できる上、お互いにわからないことを教え合ったりしてモチベーションを維持できます。定期的にやるとペースメーカーにもなって良いですね。離れた地域に住んでる人同士でもスカイプなどの通話アプリを使ってWeb上で勉強会をすることができます。
5. 成果をアウトプットする
勉強それ自体から報酬を受けようとする方法です。内発的動機づけに分類されます。
- 日常的に楽しみながら勉強をしたい人
勉強から教訓を引き出す
何かがわかるようになるという体験を重ねることで、勉強の効果を実感しやすくします。
わかったことを端的に表現する
「今回の勉強でわかったことはなにか?」と毎回の勉強の終わりに自分に問いかけてみます。「なにがわかったか」を自分の言葉で表現することで、勉強への手応えが生まれ、さらなる勉強へのモチベーションになるはずです。
間違えた理由を一言でメモする
間違えた問題をやり直すときに、「こういう理由で間違えた」ということを明確にしておくと、失敗が教訓に変わり、応用力として生かすことができます。問題集の端やノートにメモしてみましょう。
勉強したことをブログにまとめてみる

余裕のある人は成果をアウトプットしてみるのが有効です。アウトプットすることで知識が整理され、ひとつの記事を書き上げたという満足感から、次の勉強へのモチベーションも得られます。
ブログはちょっと難しいという人は短文の投稿ができるツイッターに勉強でわかったことをつぶやいてみるのも手。
自分でわかっていたつもりのことも、他人がわかるように説明するのはなかなか難しく、わかりやすい説明を考えることでより深い学びを得ることができます。
6. 勉強していることが役に立つ環境をつくる
- 実生活に役立てたい勉強をしてる人
勉強が生かせる環境を先につくってしまう
ベタな例ですが、英語を喋れるようになりたいなら英語を話す知人をつくるなど英語を使う環境をつくる、英語を書けるようになりたいならツイッターやブログを英語で書いてみる、プログラミングなら最終的につくりたいものを設計してみるなど、まだ勉強は不十分であっても、とにかくその勉強が生かせる環境を先につくってしまうと、勉強へのモチベーションが続きます。
ゴールからはじめてみる
たいていの勉強は基礎を積み上げてできることを増やしていき、応用という段階を経ます。

しかし、この方法だとなかなか楽しさを実感することができません。そうしたときには、まだ勉強が足りない段階でも、応用段階でできることを経験してしまうというのが重要です。
スポーツだったらかんたんな基礎練習をやったらすぐにゲームに入る、受験勉強なら志望大学の試験問題をやってみるという感じです。基礎的な勉強がつまらなくなってきたというときに試してみてください。
まとめ
ここまで、勉強へのモチベーションを支える6つの方法を紹介してきました。一つだけではなく、いくつかの方法を組み合わせることで、複合的にモチベーションを支えることができます。自分の勉強の仕方にあった方法をつくりあげてみてくださいね。